押し入れが猫を産んだ日



本文とあまり関係ないですが
ダンボール入りのリンちゃん♪(笑)
これは、まだ、私が実家にいた頃・・・確か、高校生くらいの頃の話です。

うちの実家は、目の前に比較的大きな公園があり、野良猫が多数生息している地域でした。
捨て猫も多く、何度か拾ってきて両親にねだったこともありましたが、実家では猫を飼うことは両親に許してもらえませんでした。
いい子だった(笑)私は、いつか家を出たら絶対に猫を飼うんだ!!と心に決めつつ、野良猫達と戯れておりました。

そんな環境の中での、ある日のこと。

学校から帰宅し、いつものように自室に戻った私の耳に、かすかな猫の声が聞こえてきました。
私が窓の外を覗き込むと、そこには一匹の三毛猫ちゃんがおりました。
彼女は、私の顔を見ると、だ〜〜〜〜っと少し離れたところまで逃げ、ちらりとこちらを振り返ります。
私がさらにベランダに降りて近寄ろうとすると、あっというまに逃げ去り、姿を消してしまいました。

・・・ちっ、残念・・・

あわよくば、撫でたいな〜と思っていた私は、その猫を見送ると、また部屋に戻りました。しかし・・・

あれ・・・・・・・・?

不思議なことに、まだ猫の声がします。
さっきの猫が戻ってきたのかな?・・・ベランダを覗きますが、いません。
不思議に思いつつ、声の元を探す私の目が、窓のすぐ横にある押し入れに向きました。
・・・・どうやら、この中から聞こえてくるようです。
不審に思いつつ、押し入れを開けて、さらに声の元を探します。
押し入れの奥、隅に積み上げられたダンボール箱・・・声はそこから聞こえてくるようです。

にゃぁ〜〜

そこにいたのは、2匹のまだ目も開いていない子猫でした。
一瞬、そこで出産されたのかと思い、慌てて押し入れの中をチェックしましたが、特にそんな様子も見られません。・・・どうやら、さきほどのベランダの猫がわざわざわが子をここまで運んできたようです。

子猫達は非常〜〜〜にかわいらしく、よたよたと歩くその姿にしばし酔いしれる私・・・しかし、このまま押し入れをこの子供達に提供するわけにもいきません。
いや、私としては提供してあげたいところですが、少なくとも両親は怒るでしょう。
私は、その子猫たちを連れてゆき、家の前の茂みにそっと降ろしてやりました。
きっと、さっきの親猫が連れに来るだろう・・・
家に戻ってその茂みの見える窓から様子をうかがっていると、やがて子猫達の鳴き声に気づいたのでしょうか。親猫らしき姿が茂みに現れ、子猫たちを連れて行きました。

よかった・・・・・(^^)

安堵してその姿を見送った私・・・
しかし、事件はそれだけでは終わりませんでした。

翌日、再び学校から帰宅した私の耳に、昨日と同じような泣き声が・・・
ま・さ・か・・・・
押し入れを見ると、なぜかわずかに開いています。
そして、昨日と同じダンボール箱の中・・・昨日の子猫の姿が・・・(笑)

よほど、うちの押し入れが気に入ったんでしょうか、この子達の親猫は・・・わざわざ一匹ずつ運んできたのかと思うと・・・(苦笑)

あの時の三毛猫ちゃんっ!!
・・・・・うちの押し入れは、託児所じゃないぞっ!!(笑)


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